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【禁聞】南シナ海規制 中国当局の狙いは?

2014年01月14日

【新唐人2014年1月14日付ニュース】中国当局が今年1月1日から施行した南シナ海の漁業規制が大きな物議を醸しています。領有権争いのある海域で、突然、規制を打ち出したのは、中国国内の政治情勢、軍の利益、およびアジア地域を重視し始めたアメリカとどのような関係があるのでしょうか。

 

アメリカ国務省のサキ報道官は9日、中国の行為を「挑発的で危険な行動」と述べました。ベトナムの漁業協会は、漁師に南シナ海での作業を続けるよう通知し、フィリピン政府は「南シナ海の情勢を複雑化し、地域の平和と安定を脅かす」と批判しました。台湾も、規制内容をまだ受け取っておらず、台湾が領有権を持つ海域での活動は、中国も国際社会も尊重してほしいと述べました。

 

この漁業規定は、去年の11月末、海南省が承認したもので、外国の漁船が350万平方キロの南シナ海のうち、200万平方キロの範囲で作業する場合、あらかじめ中国側の許可を得ていなければ、漁船設備の没収や罰金に遭うと警告しました。

 

雑誌「中国事務」の伍凡編集長は、アメリカが再びアジア太平洋地域を重視し始めた今、中国が南シナ海で規制を打ち出したことは、アメリカに対する抵抗だと分析しました。

 

雑誌「中国事務」 伍凡編集長

「規制は東南アジア諸国というより、米国への対抗措置です。アジア諸国の後ろ盾の米国に中共は対抗しています。中共は武器を使う前に壊滅するかもしれませんが、とにかく米国に挑んでいます」

 

南シナ海は漁業資源が豊富で、通行量も世界トップクラスの航路です。今回の規制には、フィリピンやベトナムが管轄する島も含まれるので、新たな紛争を招く恐れがあります。

 

一方、今回の規制は、国民の関心をそらすのが狙いだと述べる専門家もいます。

 

北京時事政治ウォッチャー 華頗さん

「ここ数日、共産党指導部の動きが活発で、39軍の軍長潘良実が北京の司令員になりました。習近平の指示です。すべて中央規律検査委員会、第三次全体会議の下準備です。大物の周永康が正式に裁かれるかもしれません」

 

ウェブ版「大紀元」の社説によると、現在、周永康が所属する派閥が必死の反撃に出ています。「中国ーの慈善家」、陳光標の訪米もその1つです。これと法輪功問題を持ち出すことで、現在の指導部に対抗し、巻き返しを図っていると見られます。

 

北京時事政治ウォッチャー 華頗さん

「なすすべがなくなった中共は事態打開のため、急に南シナ海の管理強化を宣言しました。結果、周辺国の反発を呼ぶものの、世界や市民の関心をそらせます」

 

領有権争いのエスカレートこそ、中国軍部の望みだと華さんは分析します。確かに先日、国防省は軍の既得権益を断ち切ることにつながる、各種の改革の実施を否定しました。

 

北京時事政治ウォッチャー 華頗さん

「周辺地域が緊迫すれば、軍改革は遅れます。軍の重要性も際立ちます。軍事費が増えて、利権は一層強化されるでしょう」

 

問題の規制の発表後、中国当局の思惑通り、国際社会は「中国の一方的な行動は、東南アジアの平和と経済発展に不利になる」との批判に集中しています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/01/11/atext1041543.html

(翻訳/河合 ナレーター/水田 映像編集/工)

 

 

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